つなぎが必要だったので

二十平米ほどの卒論執筆室は、公聴会を過ぎた途端に誰も来なくなった。

この部屋に寝袋を持ち込んでいたのはぼくだけではないが、ここで寝た回数はダントツで自分が多いだろう。

なにせ家は風呂の付いた倉庫という認識でいる。

あと家より人環棟のほうがコンビニが近いし。

 

就職したら職場では寝れないのかと思うと悲しい。

せいぜい卒業までのあいだ、高速無料Wi-Fi環境を使い潰すとしよう。

国民の血税で今日も暖かいし。

 

お世話になった人への義務が積み上がっているが、なかったことにする。

返却すべき物品(長く借りすぎた本)を、京都にいるうちにはどうにかうするぐらいで。

もういいんだ。自分で言いだしたことに対して比較的責任を持つタイプの人間だったが、それも過去のことだ。未来のことかも。

 

きっと人生であと何度か、情念が行動をブーストする時期が来るだろう。

次のやつまで生きといてやろう。